筋に対するトレーニング効果 運動単位の動員・筋線維タイプ・筋線維の肥大と増殖

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3.2 筋に対するトレーニング効果

3.2.1 運動単位の動員パターンの変化

運動単位の動員パターンはトレーニングよって変化する。トレーニングを継続することによって、最大下のどのレベルにおいても、神経活動は低下することが筋電図の測定により示されている。さらにトレーニングを継続することによって、運動単位の発火のタイミングが同期する結果、最大筋力の発揮時間を長くすることができることが確認されている。具体的には、トレーニングを積むことによって、ウェイトを一定の位置に保持する能力が向上する。

3.2.2 筋線維タイプの変化

(図3)
遅筋線維と速筋線維の特徴
最も魅力的なトレーニング効果とは、筋線維タイプの変化である。筋線維はタイプⅠとタイプⅡの2種類に分けられる。タイプⅠは遅筋線維、タイプⅡは速筋線維に分類される。筋線維のタイプは、2種類だけでなく、分類の方法によってはタイプⅠ、Ⅰc、Ⅱc、Ⅱa、Ⅱab、Ⅱbの6種類に分類されることもある。基本的に、筋線維はタイプⅠからⅠc、Ⅱc、Ⅱa、Ⅱab、Ⅱbの順に動員される。これまでタイプⅡb線維は、最大筋力発揮時にしか動員されないことから、収縮力の大きい筋線維であると考えられてきたが、この点については現在疑問視されている。

ウェイトトレーニングによって、収縮速度に注目した分類方法では、速筋であるタイプⅡの断面積に占める割合が明らかに増加する。ウェイトトレーニングによりタイプⅡbの数は減少し、タイプⅡabあるいはタイプⅡa線維が増加する。タイプⅠ線維もウェイトトレーニングによって割合が増加するが、むしろタイプⅠ線維の増加率は、有酸素性トレーニング後のほうがより大きい。タイプⅠcあるいはタイプⅡc線維もトレーニングにより変化するが、これら2つのタイプの筋の役割については明らかではない。タイプの変化は、トレーニングの強度と状態により生じる。しかしトレーニングを中止すると、ⅡaからⅡbへの変化が生じることが示されている。筋は、非常に可塑性に富んでいる組織であって、けがあるいは休養、旅行などでトレーニングから離れると、トレーニング効果は消失する。その結果、タイプⅡa線維はタイプⅡb線維に戻る。

タイプⅡ線維は、主としてより速い収縮あるいは高いパワー発揮に利用される反面、比較的持久性に乏しく、有酸素性エネルギー供給経路のための酵素活性が低いため疲労しやすい。一方、タイプⅠ線維は、持久力が高く、有酸素性エネルギー供給経路の酵素活性も高いため疲労しにくい。ウェイトトレーニングでは、主にタイプⅡ線維に負荷がかかるが、長時間の有酸素性トレーニングでは、主にタイプⅠ線維に負荷がかかる。
100m走では主にタイプⅡ線維が用いられる一方、マラソンにはタイプⅠ線維が主に用いられる。しかし、これは絶対的なものではなく、様々なスポーツ種目においてタイプⅡ線維を多く持ちながらも、非常に優れた有酸素性の能力を示す選手もいる。また逆にタイプⅠ線維を多く持ちながらも優れた無酸素性能力を持つ選手もいる。したがって、この筋線維タイプとその貢献度は、あくまでも一般的な話である。

3.2.3 筋線維の肥大と増殖

トレーニングによって、筋線維の太さ(筋断面積)にも変化が生じる。タイプⅡ線維は、タイプⅠ線維よりも肥大しやすい。これらの変化は、トレーニングの強度あるいは量と同時にトレーニングの種類と関連がある。したがって目的に応じたトレーニングを選ぶ必用がある。筋力の増強を目的とするのであれば、持久的運動ではなく、高強度の運動を行う必要がある。筋線維の太さに変化が生じているときに筋において実際生じていることは、アクチン actin とミオシン myosin 線維の数と太さの増加である。これを筋肥大という。筋肥大は、各々の筋線維の太さがトレーニングの結果増加するものである。
ここ数年、トレーニングによる筋線維数の増加について議論が行われてきた。今日でもこの問題について明確な回答は得られていない。動物あるいは人についての研究では、筋線維数の増加が観察されるているが、これは、単にバイオプシーの方法論的な問題による可能性もある。バイオプシーでは、全く同じ場所の筋肉を取り出すことは困難であるからである。ストレングス&コンディショニングの専門職は、現時点では、筋肥大の説を支持しているが、筋線維数の増加を支持する研究者も多い。我々はトレーニングによって、筋線維が実際に太くなることを示してきた。
これから数年の間に筋線維の数の増加を示す研究が増加すると思われる。いずれにせよ、筋肥大か筋線維数の増加のどちらかが必ず生じるのである。

3.2.4 その他の筋に対するトレーニング効果

さらにトレーニングによって筋に生じる変化を2つあげると、ひとつは有酸素性トレーニングによるミトコンドリア密度の増加である。2つめはクレアチンリン酸関連の酵素とアデニル酸キナーゼの増加である。後者は無酸素性トレーニングでも生じるが、主に有酸素性トレーニングによって生じる。これらの変化によって、筋はより酸素を効率よく利用できるようになり、より長時間の運動に耐えられるようになる。
一方、トレーニング効果の中には、非常に早い段階で生じるものがある。例えば、ホルモンの合成や貯蔵量はその1つである。トレーニングによってタンパク質を介したホルモンの伝達に変化が生じる。また組織からホルモンが代謝される速度、ホルモンの分解速度なども変化する。組織におけるホルモン受容器の数も、トレーニングの結果として増加する。さらに細胞から各ホルモンの受容器に伝達されるシグナルの強さも変化する。基本的に身体には、神経系と内分泌系の2種類の制御方法があるのだが、内分泌系もトレーニングに対して応答を示すのである。


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