筋収縮の過程:筋線維からの興奮収縮連関と筋収縮のエネルギーについて

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2.3 筋収縮の過程

(図5)

筋収縮のメカニズム

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筋収縮時には、アクチン・フィラメントがミオシン・フィラメントの間に引き込まれるときにH帯とI帯が短くなり、安静時から徐々に張力が高まり、さらには最大収縮になるにつれて両者が消失する。このときアクチン・フィラメントは完全にミオシン・フィラメントと重なっている。このように、筋収縮は細いアクチン・フィラメントが太いミオシン・フィラメントの間に滑り込み、筋節の長さが短縮することによって起こる。これを滑走説 sliding theory という。

2.3.1 筋線維からの興奮収縮連関

ミオシンからは、、線維に対して放射状にクロスブリッジ cross bridge と呼ばれる部分が伸びており、その部分はミオシン・フィラメントの頭部に当たるサブフラグメント-1 (s-1) がある。

細いアクチン・フィラメントのまわりにはトロポミオシンとトロポニンがある。トロポミオシンは糸のように細いタンパク質からなる構造を持つ。トロポニンは顆粒状の構造で、ミオシンとアクチンを結合させたり、逆に結合させないようにしたりするときに重要な役割を果たす。安静時にはアクチンとミオシンは離れていて、結合していない。ATPはミオシンのs-1部分に蓄えられている。

大脳の運動野から出された動きの指令は筋紡錘やゴルジ腱器官からの反射と合わさって神経の興奮として軸索を伝わり、神経筋接合部でアセチルコリン acetylcoline を放出させる。アセチルコリンはシナプス間隙を横切り、筋線維の細胞膜である筋鞘に結合し、細胞膜の電位変化、すなわち脱分極 depolarization を引き起こす。この電位変化の波が横行小管を伝わり、筋小胞体からのカルシウムイオン放出を促す。放出されたカルシウムイオンは、トロポニンに結合してトロポニン・トロポミオシン複合体の形を変化させる。これによりアクチンとミオシンの間の抑制が取り除かれ、アクチンとミオシンの結合が起こる。アクチンとミオシンの結合は、ATPを機械的エネルギーと熱エネルギーへと変換される。機械的エネルギーはアクチン・フィラメントをミオシン・フィラメントに引き寄せるのに使われる。このとき、クロスブリッジが傾き、アクチンを引き込むと考えられている。

筋が弛緩するときは神経からのインパルスが停止し、カルシウムイオンが筋小胞体に戻される。これはATPのエネルギーによって動くポンプ作用によるもので、これにより筋形質内のカルシウムイオン濃度が低下するとアクチンとミオシンは解離し安静状態に戻る。これらの反応は非常に速い速度で起こる。

カルシウムイオンは2つの役割がある。1つは、軸索終末からのアセチルコリンの放出を促すことである。これによってインパルスが神経系から筋へと伝えられる。もう一つの役割は前述のようにアクチンとミオシンの間の抑制を取り除くことである。

2.3.2 筋収縮のエネルギー

筋収縮中のATPの役割は3つある。第1に、ATPの分解は動きの機械的エネルギーを供給する。アクチンとミオシンと相互作用するためにはATPが必要である。第2に、ATPによってアクチンがミオシンが解離する。第3に、筋収縮後にカルシウムを筋小胞体に戻すのにATPが使われる。

筋収縮速度、すなわちどのくらいのスピードで筋が収縮するかは、主にミオシン ATPase の濃度と、運動神経の軸索の大きさ、および有髄化の程度に依存する。後述する筋線維のタイプの一つである速筋線維は、ミオシン ATPase をより多く含むとともに、それを支配している神経線維の軸索も太い。

最大筋張力、つまり筋がどのくらいの力を発揮できるかは、結合可能なアクチンとミオシンに依存する。レジスタンストレーニングの結果生じる筋線維の肥大と増殖(筋線維数の増加)はアクチンとミオシンの結合量を増やし、最大発揮張力を高める。筋収縮の持続能力は、分解したATPを再利用・再合成するスピードに依存する。

これは筋組織内のミトコンドリアとそれの行う有酸素性代謝が深く関わっている。また、ミトコンドリアが有酸素性代謝においてATPを合成するするのに必要とする酸素を供給するためには呼吸循環系も関与する。

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