筋線維のタイプ:疲労特性,筋力発揮特性,筋線維組成,運動単位のタイプと筋線維のタイプ

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2.4 筋線維のタイプ

ヒトには3つの筋線維タイプがある。
1) タイプⅠ線維 typeⅠSO線維 slow twitch oxidative fiber 、遅筋線維または赤筋とも呼ばれる。

2) タイプⅡa線維 typeⅡaFOG線維 fast twitch oxidative glycolytic fiber 、または中間線維と呼ばれる。

3) タイプⅡb線維 typeⅡbFG線維 fast twitch glycolytic fiber 、速筋線維または白筋ともいう。

2.4.1 筋線維タイプの特性

2.4.1.1 疲労特性

1) タイプⅠ線維は毛細血管濃度が高く、従って酸素の運搬能力が高い。また、ミトコンドリアや酸化系酵素の量が多い。したがってタイプⅠ線維は張力を非常に長い間維持することができ、疲労しにくい。

2) タイプⅡa線維はいくぶん酸化能力を持っているので、張力をより長い時間維持することができるが、やがて疲労し始める。

3) タイプⅡb線維は疲労しやすく、100%の力が2~3分で0にまで落ちる。
遅筋タイプの運動単位の有酸素性能力は高く、一方速筋タイプの無酸素性能力は高い。

2.4.1.2 筋力発揮特性

1) タイプⅡb線維は非常に高い最大張力を急速に発生することができる。

2) タイプⅡa線維はタイプⅡb線維とタイプⅠ線維の中間の性質を有する。最大張力に達するまでの時間がタイプⅡb線維が30~40秒であるのに対してタイプⅡa線維は約150m秒と長い。

3) タイプⅠ線維が発生することのできる張力はタイプⅡb線維やタイプⅡa線維よりもずっと低い。

2.4.2 筋線維組成

それぞれの筋線維タイプの比率で表される筋線維組成は、人によって異なる。また個人内でも部位によって変動する。外側広筋、大腿直筋、腓腹筋、前頚骨筋、ヒラメ筋、三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋について、それぞれの筋線維組成を調べたデータによると、筋群間で組成に違いがみられる。したがって速筋線維の比率が大腿四頭筋では高く、上体の筋では低いということも起こり得る。筋線維組成の分布は様々である。スポーツ選手をみると、スプリンターは速筋線維の比率が高い傾向にある。一方、マラソンランナーでは遅筋線維の割合が高い。これらは両極であるが、その間のスポーツ選手は比率的偏りのない筋線維組成を有する。すなわち筋線維組成はパフォーマンスを左右する場合もあれば、そうでない場合もある。マラソンとスプリントのような両極においては筋線維の分布パターンは非常に重要であるが、日常の身体活動においてはそれほど重要ではない。

パーソナルトレーナーがクライアントの行う運動を考えるとき、クライアントが興味を持つ運動は、クライアントの筋線維組成が関係している場合がある。例えば、下肢の筋に遅筋線維の多い人はもしかしたらランニングやサイクリングのような運動に興味を持ち、また高いパフォーマンスを示すかもしれない。逆に、上肢に遅筋線維の多い人はロウイングとか水泳とかを楽しむことができるかもしれない。筋線維組成は運動プログラム作成時の種目の選択に関係することがある。

2.4.3 運動単位のタイプと筋線維のタイプ

人体には異なったタイプの運動が存在する。運動単位の一般的な特性として、各運動単位の筋線維の組成は均一であるが、運動単位によって刺激に対する感受性が異なる。遅筋線維を支配する運動単位はニューロンの細胞体が小さく、容易に刺激される。逆に、速筋線維を支配する運動単位は細胞体が大きく、それが動員されるには神経系からの大きな信号が必要である。

1) 運動単位は小さな細胞体のものが先に動員される。つまり、基本的に遅筋線維は速筋線維よりも先に動員される。これはサイズの原理とよばれる。

2) 運動単位は全か無かの法則に従う。ひとたび運動ニューロンが脱分極のための閾値に達するとその運動単位が支配するすべての筋線維が収縮し、閾値に達しなければ決して収縮しない。

3) 速筋タイプの運動単位は、最大努力、高強度、高速度の状況で動員される。スプリント系の活動のように高強度・高速度の動きのときには速筋タイプの運動単位が主として用いられる。速筋タイプと遅筋タイプの運動単位を比べると、速筋タイプの運動単位は大きな運動ニューロンを有する傾向があり、その結果脱分極のための大きな神経系のインパルスを高速に筋まで運ぶことができる。

4) 遅筋タイプの運動単位は運動ニューロンが小さい傾向があり、脱分極のための神経系の刺激レベルは低い。軸索が細く、髄鞘形成の程度が低いので、神経系のインパルスが筋線維に達するまでの時間が速筋タイプの運動単位に比べて長くなる。従って、遅筋タイプの運動単位は使われる頻度は高いが収縮特性は遅い。有酸素性運動のような低強度、長時間の条件では当然遅筋タイプが主として用いられる。

5) 長時間の運動などで主として遅筋線維を用いているときに疲労が生じると、疲労した遅筋タイプの運動単位の機能を補うために速筋タイプの運動単位が新たに動員される。また、運動の開始時にも速筋タイプの運動単位が動員されることがある。

6) 一般的なウェイトトレーニングで1回最大挙上(1RM)に相当する力を発揮するときは高強度・低速度の状況であり、速筋・遅筋双方の運動単位を用いる。


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