特別な人のための運動処方:肥満

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Ⅷ 特別な人のための運動処方:肥満

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1 肥満

一般に、体脂肪率が、男性で25%以上、女性30%以上で、体格が標準的である状態を脂肪過多という。一方、体脂肪率はそれと同様で、体格が標準的な人よりも大きい場合を肥満という。

1.1 肥満者の特徴

  1. 身体の清潔さを保つことが難しい場合がある。ある感染症では、発疹ができて、抗生物質が必要となるほどまでにひどくなることがある。また皮膚の潰瘍が、手の届きにくい場所にできる。
  2. まれに極度の体調不良が起こる。例えば、10ポンド(約4.5kg)のダンベルを片手に持ち、アームカールを10回行っただけで、2日後には上腕二頭筋に麻痺症状が生じることがある。
  3. 関節に障害がある場合が多い。肥満者は往々にしてバランス、姿勢が悪く、歩くときに膝、股関節、背中、足首に負担がかかる。また肥満者は、体重に見合った十分な筋力が無いために、身体重心を正常な位置に保つことができない。したがってバランスを保つことが困難である。
  4. 肥満者は保護膜で覆われたような状態であるため、体温調節に難がある。運動中の身体の中心部の温度は、108F(約42.2度)にまで上昇することがある。
  5. 糖尿病にかかりやすく、またその後遺症が起こりやすい。糖尿病においては心臓血管系の疾患を併発する場合が多い。肥満者の場合、脂肪細胞に使われるインスリンが不足し、その結果糖尿病になる。
  6. 姿勢が悪く、呼吸筋が弱く、横隔膜が挙上しているため、呼吸機能に問題がある。ガス交換を多くしなければならない状況でも、うまく対応できない。
  7. 癌になりやすい。肥満であること自体だけではなく、肥満になる過程に原因があると思われる。

1.2 運動の目的と効果

肥満者に対する運動の目的は、当然、体脂肪を減らすことにあるが、同時に徐脂肪体重の維持、糖質・脂質代謝の改善も重要な目的とされ、これらは食事だけの減量との大きな違いでもある。

運動による効果としては消費エネルギーの増大、骨格筋量の増加、骨格筋内毛細血管数の増加、末梢組織でのインスリン抵抗性の改善、有酸素性運動の酵素活性の向上などがあげられる。これらの効果からもわかるように運動には単に食事の量を減らしての減量よりも健康的に減量でき、かつ太りにくい身体にする効果がある。

1.3 肥満者に対するトレーニングの注意点

  1. 運動を行うことに不慣れな場合が多く、運動により外傷・障害を引き起こす可能性が高い。トレーニングを行ったとしても、その後数日間寝ているハメになるかもしれない。極度に肥満した人をトレーニングする場合は、外傷を避けるため、急激な方向転換を含む運動は避ける。
  2. 肥満者は立位を保つことが苦手なので、座位での運動が適している。
  3. 近年では、水中トレッドミルが徐々に普及しており、これにより、膝や股関節にかかる負担が軽減した状態で運動ができる。
  4. 肥満者には、関節の大きな動きをさせるような運動は避けたほうが良い。トレーニングの量は少なくし、強度を低くする。そして彼らがきついと感じるようなことは採用しない。
  5. 肥満者をトレーニングするときはには、動作を注意深く観察する。座った状態から立つときの様子、ダンベルスタックからダンベルを持ち上げる時の身体のバランスなどを観察し、好ましくない動作は修正していく。
  6. 室温や湿度といったトレーニング環境に注意する。
  7. 薬物療法を受けていることが多い。高血圧である場合には、運動を行う前に、高血圧の治療を行う。
  8. 非肥満者に対する禁忌は、すべて肥満者に対しても当てはまる。例えば風を引いている場合にトレーニングを行うと、まず間違いなく風を悪化させることになる。肥満者も非肥満者も、風の引き始めの数日間はトレーニングを控える。
  9. 肥満者の身になり、どんなふうに感じているのか、どこが痛いのか考える。肥満者には言葉とは裏腹に、トレーニング動作が上手くできないことが多い。したがって彼らが、「大丈夫。もっとやっても平気ですよ。」といったとしても鵜呑みにしない。彼らが無理をする前にやめさせる。
  10. 褒めることは大切である。肥満者は、往々にして劣等感を抱いており、上手くいかないと考えているからである。
  11. 肥満者のトレーニングとして、運動を行わせるだけでは不十分であり、食事の管理を同時に行う必要がある。
  12. 超肥満、という言葉は、標準体重(推奨体重)よりも100ポンド(約45kg)以上重い人に対して用いられる。
  13. 肥満者に、高血圧、糖尿病、関節の問題などがある場合、医師と連絡を取ることが望ましい。パーソナルトレーナーに対する責任が問われる可能性があり、場合によっては事故が起こった際に、パーソナルトレーナーが医師と連絡をとったかどうかの確認を求められることがある。
  14. 栄養士、心理療法士らととも連絡をとることが必要な場合もある。


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